婦人科

思春期から老年期に至るまで、女性の身体はホルモンバランスの変化によって様々な影響を受けます。女性のすべての年代におけるトータルケアを目指し、健康をサポートするのが「かかりつけ婦人科医」です。小さなお悩みでも、お気軽にご相談下さい。

思春期:初潮が始まってから月経が安定するまでの期間
  • 月経異常・月経困難症・過多月経・月経前症候群
  • おりものの異常、陰部のかゆみ・痛み
  • 子宮頸がんワクチン
成熟期:妊娠・出産に適した時期
  • 妊娠、出産、家族計画
  • 不妊症
  • 月経困難症・過多月経・月経前症候群
  • 婦人科の病気(子宮筋腫、子宮内膜症など)
  • 女性特有のがん(子宮頸がん、卵巣がん、乳がん)
更年期:閉経年齢(平均50.5歳)± 5歳
  • 更年期障害
  • 女性特有のがん(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、乳がん)
  • 性交障害
老年期:更年期を過ぎたら
  • 萎縮性膣炎
  • 尿もれ
  • 骨粗鬆症

 

生理は何のためにあるの?

妊娠のために約1ヶ月に1回、卵巣から卵子が放出されます(排卵)。子宮内では受精卵のベッドとなる子宮内膜を、着床しやすい厚い状態にして妊娠の準備を整えていきます。妊娠しなかった場合、子宮内膜は不要となりはがれ落ちて、血液とともに体の外へ出て行きます。つまり、毎月毎月、妊娠に向けての準備を繰り返し、妊娠しなかったら生理がくるのです。
初潮を迎えてから閉経するまでほぼ毎月やってくる生理。面倒だったり、生理に伴うつらい症状に悩まされている人も多いことでしょう。「妊娠を希望している人」には必要なことです。でも、「妊娠を希望してない人」にはどうでしょう?将来の妊娠のために必要?そんなことはありません。むしろ月経血の腹腔内への逆流が子宮内膜症の原因となるという説があります。毎月毎月、つらい生理に耐えた結果、「重症の子宮内膜症で妊娠は難しい。」と言われてしまうかも?ということです。
学問、スポーツ、仕事において、生理はハンデ以外の何ものでもありません。「生理痛は我慢して当たり前」ではありません。自分の意思で自分の生理をコントロールして、日々を明るく幸せに過ごしましょう!

  • 月経異常
    月経が15歳になっても始まらない、月経がきちんとこない、月経が止まらない、月経以外の出血がある
  • 月経困難症
    生理痛がひどい、頭痛、腰痛、吐き気、下痢などを伴う
  • 過多月経
    月経量が多い(普通用のナプキンで2時間もたない、昼間でも夜用ナプキンが必要、塊がでる)
  • 月経前症候群
    生理前の体調不良(頭痛、腹痛、イライラ、情緒不安定など)
検査 問診、採血(ホルモン検査、貧血など)、超音波検査(経腟または経腹)
治療 カウフマン療法(卵胞ホルモン+黄体ホルモン)、卵胞・黄体ホルモン配合剤(低用量ピル)、黄体ホルモン製剤、子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ)など、1人1人の年齢、要望、症状にあった治療を提案します。

 

不妊症

妊娠を望む健康な男女が、「一定期間」通常の性生活を行っても妊娠しない状態。
「一定期間」とは1年とも2年とも言われていますが、妊娠を希望されていればいつでも検査、治療は可能です。
当院では、検査、一般不妊治療(タイミング法、人工授精)まで行っています。

 

 

婦人科の病気(子宮筋腫、子宮内膜症など)
検査 定期的(3ヶ月~1年)な超音波検査(経腟または経腹)
治療 症状が強い場合(月経困難症、過多月経、貧血など)は薬による治療を行います。
卵胞・黄体ホルモン配合剤(低用量ピル)、黄体ホルモン製剤、子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ)、GnRHアナログ製剤(一時的に閉経状態をつくる)など
子宮頸がん検診

岩国市、大竹市のクーポンが使用できます
子宮頸がんの検診だけでなく、婦人科の病気の相談、早期発見にお役立て下さい。
子宮体がん検診も希望者は同時にできます。
精密検査が必要な場合、当院で受けられます。

更年期障害

更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。

    症状

  • 血管の拡張と放熱に関係する症状
    ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など
  • その他のさまざまな身体症状
    めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど
  • 精神症状
    気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など
    治療

  1. ホルモン補充療法
    更年期障害の主な原因がエストロゲンのゆらぎと減少にあるため、少量のエストロゲンを補う治療が行われます。
  2. 漢方薬
    漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、全体的な心と体のバランスの乱れを回復させる働きをも持ちます。1人1人の悩みや症状にあわせて処方します。
  3. 向精神薬
    精神症状が最もつらい症状である場合に用いられます。
  4. GSM(閉経関連泌尿性器症候群)

    GSM(閉経関連泌尿性器症候群)は閉経後にエストロゲン(女性ホルモン)が低下しため
    に起こる腟や外陰部の症状、尿のトラブルなどを総称した疾患です。

    • 腟症状
      腟の乾燥、灼熱感、かゆみ、痛み、出血
    • 性機能症状
      性交痛、出血
    • 排尿症状
      頻尿、排尿時痛、尿もれ、繰り返す膀胱炎
      治療

    1. 非ホルモン剤による治療
    2. ホルモン剤による治療
    3. リハビリ、機器による治療
     

女性の平均寿命が90歳に近づきつつあるわが国において、更年期は人生の折り返し地点で
す。この時期に起きるさまざまな問題を上手に乗り越えて、第2の人生を明るく幸せに過ご
しましょう!